あぁ車掌さん!(ロシアの女)〜プラツカルトのお母さん
片道22時間ごえ長距離を寝台列車で
カザンへ向かうプラツカルト乗車レポート続きです。
ひとつの車両(вагон ワゴン)につき、
ひとりの『車掌さん』がいる。
車掌さんは大抵女の人で如何にもな制服を着ていて雰囲気がある。
『切符を拝見』
長い夜行列車では、車掌さんは担当するワゴン客皆の切符を預かり、
降りる駅の前では声をかけて知らせてくれる。
そういった車掌さんらしい仕事のほかにも、
シーツを配ったり、お菓子やお茶を売ったり(売り歩くのではなく欲しい客が車掌室まで頼みに行く)、
誰かがジュースをこぼせば雑巾を用意し
時にはほうきを持って、みんなのパン屑を片付けて回る。
(定期的に専門のお掃除の人もまわってくる。だから基本的に車内はとてもきれい)
彼女は車内の皆んなにとても頼りにされていて
何だかお母さんぽい。
わたしもいきなりシート(ベッド)にクヴァス(わたしの好きな黒パンジュース)こぼしてしまい。
車掌さんに見つかって
『オー…(´・д・`)あなた…』
と言われるも
『す、すみません…(。-_-。)』
と謝るわたしに
怒りもせずにテキパキと新しいカバーを持ってきて取り替えて
『はいはい。
あなた、ねる時はこっちを使うんですよ。毛布はここよ。』
と何事もなかったかのように
2段式のベッドをガタンと降ろして組み立ててくれた。
ロシアの女の人は大抵強くて無表情。
お店の店員さんはニコリともしないし、
ホステルで同室の女の子もあまり話さずクールな事が多い。
(ニコニコと愛嬌ある子もいるけど。)
蚤の市で値切っても、おじさんは何処となくひょうきんだけど
相方のおばさんは
『なに値段っ?!200ルーブリ!
なに負けろ?
駄目駄目!!』
みたいにつっけんどん。
しかも、怒ってるんじゃなくてこれが通常運転なのね(^◇^;)
公園で寒い中井戸端会議してるおばあちゃん達も
なんか喧嘩してるのか、
と思うほどの口調で
低い声で、でもずぅーっと話してる。(たぶんさほど重要じゃない世間話や、お金の苦労の話)
でも、妙な面倒見の良さを発揮してくれてびっくりする事がある。
たぶん全般的にロシアの女性は面倒見がいい。
若い人も。
共通する何か、
おっかさんだましい、
みたいなところがある。
道を聞いたら、ロシアのおばさんは、
ぱっと腕を組んできて
『ごらん、あっち、あの交差点。わかる?!
アンタ、本当にわかってる?!
そこを右!そして次を左!』
みたいな。急に腕とか組まれると距離が近くて
日本人はびっくりしちゃう。
そのまま腕を組んで付いてきてくれる事もある。
車掌さんは
公務員なのかな?
いつ寝るのだろう?交代するの?
存在的には、宿屋のオカミさん的な雰囲気がある。
たぶん、ロシアの鉄道(シベリア鉄道?)をモデルにしただろう『銀河鉄道999』で、車掌さんが重要な親しみやすいキャラクターをしてるのは、このソ連から続く“なんでも応えてくれる車掌さん”のイメージが少しでも入っているのかも知れない。
あと、クールな美女ながらも母性を感じさせるメーテルはロシアの女性ぽい。
ロシアを眺めてると『おばあさん』がすごく存在感あって、
尊敬されてる感じがする。
話した不良っぽい男の子も、
インテリの女の子も、
皆ばあちゃんにはアタマが上がらないみたいだったし、
すごく敬愛して大事にしてる風だった。
電車がしばらく停まる駅には、両手いっぱいに売り物を抱えた
おばちゃんやおばあちゃん達が待ち構えてる。
何も買わせて貰うものはなかったんだけど、
彼女達を観ていて本当に飽きなかった。
『生きるちから』!
わたしは生きるちからのある姿が好き。
あぁロシアの女の人たち。
家族に居たらきっとすごく心強い。
だけどきっとすごく繊細で優しい。
プラツカルトで眠る夜は、車掌さんが見守ってくれている中での安心感がある。
これは、インドや中国の寝台列車には無かった不思議な感覚。
遠回りしてまでわざわざ行くべきか、かなり迷ったプラツカルトの旅は、
結果的にすっごくロシア〜な空間で
ずっと飽きる事なく、乗って良かった(^^)
(去年の夏にも別路線で乗ったんだけどね)
きっと読んだあなたも乗りたくなったはず!
シベリア鉄道が有名だけど、普通に他の路線移動も選択肢にはありますよ。
ロシアさんはひろい!とても!
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